こんにちはソトアソビです。
予定の決まっていないゴールデンウィーク直前、ガレージでバイクを眺めて飲みながら話をしている時だった。何かのきっかけで九州の話になり、最終的に酔った勢いでフェリーを予約してしまったのだ!
ここ10年ほどゴールデンウィークは四国ツーリングに行くことが定番になっていた。だから四国の主だった場所はあらかた周ってしまったため新鮮味がない。その点九州には今まで2019年に一度行っただけだし、その時は半分が雨だったので消化不良だった。
それまで全然九州を意識していなかったのに、話が盛り上がる中でいざ九州に行こうかとなると急に焦り出す。
まだフェリーに空はあるのか?
どこの便にするか?
会社の休みはどんな感じか?
空席ある!?それでいいよ、早く取っちゃって!
よし、GWは九州だ!
という具合に急な思いつきで九州ツーリングが決まった。
10泊11日のオールキャンプで天気にも恵まれた。雨に降られたのは11日間のうちたった2時間程度という幸運っぷり。この記事はそんな2022年のゴールデンウィーク九州ツーリングの記録である。
長くなるので全3回に分け、定番スポットから穴場まで全11日間を余すところなくお伝えする。
1日目 晴れ【自宅→大阪南港】508km
03:30 自宅発
ETCの深夜割引を使うため、必要以上に早すぎる時間に自宅を出発。寝静まっている近所に気を使い暖気もそこそこに走りだす。
長距離の高速道路移動に楽しさはあまりない。どれだけ遠い地域のナンバープレートを発見できるかとか、頭の中で一人しりとりなど意味のないことをして暇をつぶす。
はぁ、いつもながら静岡は長いな。。。
東名-新東名-伊勢湾岸-新名神-阪神高速と約500kmを走り通す。
こういうシチュエーションは今までに数えきれないぐらいあったが、こんな時BMWのGS1200とかアフリカツインみたいなバイクならどんなに快適で早いことだろう。
我々のバイクはガソリンタンク容量の小ささから短いスパンで給油が必要になる。75km走って休憩し、次に75km走ったら給油するといった具合。
ハーレーの振動に長時間さらされた両手はPA・SAでの休憩中はずっと痺れっぱなしだ。
そのサイクルを何度も繰り返し昼ごろに大阪に到着。
12:30 大阪南港
初めての大阪南港。今まで数多くのフェリーターミナルを見てきたが、大都市のフェリーターミナルにしては意外と小さいことに驚く。
到着時間が早すぎたため他の乗客は1人もおらず閑散としている。
フェリーの出航時刻は17:55とまだまだ先なので昼食と買い出しに向かう。
この周辺は埋め立て地で、東京湾岸のお台場や豊洲あたりにとてもそっくりだ。
島々に架けられた橋をいくつか渡って舞洲へ。(「まいす」と読みたくなるが「まいしま」らしい)
佐川急便の社員食堂を一般にも開放している舞洲食堂で昼食をとる。
1Fにファミリーマートがあり、無料の駐車場もそこそこ広い。建物の外観はいかにも物流施設だけど、食堂内はおしゃれで開放的な落ち着く空間だ。
ランチメニューの種類は多くないが500円と安く、好きな小鉢を追加できるシステム。そしてなかなかおいしい。労働者だけでなくさまざまな客層でとても賑わっていた。
昼食後はここから歩いてすぐの場所にあるごみ処理場、舞洲スラッジセンターに行ってみた。
オーストリアのアーティスト・建築家のフンデルトヴァッサーのデザインした建物。とても奇抜な外観をしていて遠くからでもとても目立つ。ごみ処理場に明るい印象を与えている。
前もって予約すれば中の見学ができるらしいが今回は外観だけ。
17:55 フェリー出航
船内に持ち込む物の買い出しを済ませてフェリーターミナルに戻ると、数時間前とは打って変わって同じ便に乗る乗客が列をなしていた。
受付を済ませ列に並び乗船の時を待つ。フェリーの出航を待つこの時間、何度経験してもとてもワクワクする大好きな時間だ。
17:55 定刻に出航。
2日目 雨/晴れ【志布志港→佐多岬野営場】206km
09:00 志布志港~都井岬
朝9時に志布志港に着岸。天気は雨。結果的に昼前に止むことになるのだが、九州上陸初日の午前中は今回10泊の旅で唯一の雨だった。
志布志市志布志町志布志 にフェリーターミナルがある。
志布志港から東に向かう。最初の目的地は35km程先の宮崎県最南端にある都井岬だ。
都井岬には御崎馬という日本で唯一の野生の馬がいて、そのルーツは江戸時代。
軍馬を生産するための牧場があったが現在は野生化していて、岬には108頭(2021年時点)住んでいるらしい。
都井岬までの道中はいたって普通の田舎道。どんどん強まる雨。早く止まないかな、と思いながら走る。
岬への入り口にはゲートがあり、入場料100円を支払って先に進む。
進んでいくと馬だらけ。馬糞もそこら中に落ちている!
観光客が多いから人に慣れているのだろう。近づいてもまったくの無関心だ。
武士が乗る馬、というと大きく立派な姿を想像するが実際は違ったようだ。純日本産の馬は小さくて足も短く、ポニーとかロバのようなずんぐりむっくりな体形でかわいらしい。
いくら昔の人が小柄だったとはいえ重い甲冑を着て乗るにはちょっとかわいそう。
山内一豊が10両で買ったとされる馬はもっと立派だったのだろう。
12:00 日南
都井岬からは海沿いを日南方面へ北上し12:00、昼食目的で目井津港隣接の「港の駅めいつ」に到着。
ここは調べずに寄ったのだが、後から調べたらとても人気の店らしく行列がものすごかった。季節によるのだろうけど、カツオ炙り重や伊勢海老が人気らしい。
このあたりで雨は止みうっすら青空が見えてきた。
行列に並ぶと遅くなってしまいそうなので、歩いてすぐの場所ににあった「ごんぐり亭」で昼食。目井津港入口交差点の角にあるこじんまりした店。
ごんぐりとは日南の郷土料理でマグロの胃袋のことだそう。酒のつまみになりそう。
そのごんぐりとは関係ないマグロの漬け丼、魚(ぎょ)うどんなるものを注文。
魚うどんは魚のすり身をうどんの麺のようにしたもので、あっさりしていてなかなかおいしかった。全体的にはまあまあかな、といったところ。
日南からは海沿いを離れ県道3号を走り志布志に戻る。途中道がわかりにくいところもあったが、信号や交通量が少ない快適な道だった。
さらに志布志からは大隅半島を南下して佐多岬方面へ向かう。
キャンプ地の手前、途中のAコープにて買い出し。鹿児島っぽい物がたくさんある。
スーパーや道の駅などでその地域の食材を買ってキャンプで食べるのも旅の醍醐味だ。
買い出しを済ませ外に出ると地元の人らしき夫婦ライダーに話しかけられる。神奈川から来たというと驚かれた。
16:50 佐多岬野営場
佐多岬野営場に到着。
県道68号と佐多岬公園線のT字路を曲がってすぐの場所にあり、一見公園のような外観で見落としてしまいそう。
できたてほやほやのキャンプ場らしく芝、トイレ、炊事場全てが素晴らしくきれい。そして無料。
まだ知られていないのだろう、我々以外に2組しかいない。なんとも贅沢なこの旅の初キャンプになった。
宮崎・鹿児島っぽい今夜のつまみたち。さつま揚げが好きなので、鹿児島滞在中は毎日買っていた。
午前中の土砂降りが嘘のようにきれいな夕暮れだった。
3日目 晴れ【→神川キャンプ場】206km
07:30 ~佐多岬
荷物をまとめて7:30に出発。朝ダラダラして出発が遅いことが多い我々にしてはかなり早い。ほんの5、6km先にある佐多岬に向かう。
佐多岬は本土最南端で、端っこ好きなライダーには外せない場所だ。
最北端の宗谷岬、最東端の納沙布岬は何度も訪れていて、残すは佐世保市にある本土最西端の神崎鼻のみ。
おしかった、2019年に佐世保には寄ったのに、その時は興味が湧かなかったため行かなかった。またの機会に。。。
佐多岬の駐車場では大きなガジュマルの木がお出迎え。
岬の展望台までは往復30分ほどかかるそうなので途中で引き返した。しかし今思えば行っておけば良かったかな。
09:40 雄川の滝
佐多岬を出て雄川の滝に向かう。この滝の事は知らなかったのだけど、どこかで見かけた観光案内に載っていたので行ってみることにした。
佐多岬からは40km、1時間程の距離だ。
地図で普通に調べると滝を上から見られる展望台に着く。
滝壺近くから撮られた写真を見かけたので、ここから降りられるのかと思ったがどうやら違うらしい。
滝を上から眺めるこの場所と、歩いて滝壺近くまで行ける場所はずいぶん離れているみたいだ。
両方行くなら車などでぐるっと周る必要がある。そしてとても道がわかりにくい。
やはり迷う人が多いのであろうか、周りを見るとこのような案内図がそこら中に設置してあった。
迷いながらもたどり着いた。整備された無料の駐車場から川沿いの遊歩道を歩くこと15分。
水量が多くて滝壺が濁っており、綺麗に澄んでいた写真とは違っていたが大迫力。
水量が少ないときはエメラルドグリーンで神秘的。
11:00 神川キャンプ場~垂水
雄川の滝から15分ぐらで錦江湾の海沿いにある神川キャンプ場(無料)に到着。
海岸には影絵アートがたくさん並んでいるが、やはり影絵は夕方が見ごろだろう。
昼前のまだ空いている時間に設営をすませてしまう。車両の乗り入れは出来ない。駐車場から離れると荷物を運ぶのが大変になるので、駐車場の近くに設営。
このキャンプ場は国道沿いではあるが、交通量がそれほど多くないため車の音はさほど気にならない。
道の駅が目の前、ローソンまで200mと買い出しにも困らない。600mぐらいの距離には入浴施設もあるしとても便利。
荷物を降ろしてささっと設営したら、桜島に向かうため海岸沿いを北上する。道沿いの木が南国仕様で、九州に来ている事を実感できる。
垂水市に入る少し手前、ツーリングマップルに載っていたみなと食堂で昼食にする。
知らなかったが鹿児島はかんぱちが名産みたいだ。各地を旅しているとこのように地域の特色を知れて面白い。
人気店らしく15人ぐらいの待ちができていたが、回転が早いため20分ほどで席に座れた。
注文後すぐ料理が出てきたので、行列ができていてもそれほど待ち時間は長くないのかもしれない。
かんぱち漬け丼定食800円。安い、うまい!
A定食だったかな?1300円。刺身はもちろんエビのかき揚げもうまっ!
腹が満たされたら再び北上していく。
全く関係ないがこの地域には「財宝」という商品名(会社名)の水がある。
その水を使った焼酎もある。
鹿児島では割と有名らしく一般的なのかもしれない。その辺の自販機でもその水を売っている。
この海沿いの道を走っているとそこら中に「財宝」と書かれた看板が目に入る。この会社を知らない人はこう思うかもしれない。
このあたりを拠点とした宗教か何かだろうか・・・
私はふるさと納税の返礼品として「財宝」の焼酎をもらったことがあるが、初めは怖いもの見たさで注文した。後日何かの勧誘が来たりして。
飲んでみると普通においしい焼酎だったし、何の勧誘も来なかった。
この会社の人には大変申し訳ないが、この会社名で損をしているのではないだろうか。
13:30 桜島~神川キャンプ場
桜島の真ん中の大部分は火山であり海沿いに周遊道路がある。桜島を時計回りにぐるっと周った。
ちなみに大隅半島南部の錦江町や南大隅町にいる時、海の対岸に見えていた開聞岳を桜島だと勘違いしていたことは内緒だ。
島南側の海沿いから少し中に入り湯之平展望所へ。
ここからは東側に大きく桜島が、そして西側には鹿児島市街が良く見えた。
この時は少し曇っていたが、晴れていればより感動的な景色だろう。
展望台から再び海沿いに出る。海を左に見ながら島の北側を20分程走ると「黒神埋没鳥居」に着く。
大正時代の火山の噴火により埋まってしまったという鳥居。元は高さ3mだったらしい。
ここはあまり目立つスポットではないが、駐車場もありちらほら観光客の姿もあった。
桜島をほぼ1周した後は島の付け根近くにある道の駅垂水に向かう。ここには広い足湯があって、桜島と海の景色を眺めながらまったりできる。
残念ながら見ることができなかったが、ここ錦江湾では運が良ければイルカの姿を見ることもできるらしい。
売店でこの地域の食材を買ってキャンプ場に戻る。
キャンプ場に戻ると多くのテントで賑わっていた。バイクの数も多い。やはりバイクの人は駐車場よりに設営する人が多く、この辺りは人口密度が高かった。
4日目 曇り/晴れ【→串木野ダムキャンプ場】147km
07:30 ~根占フェリー乗り場
前日同様7:30に出発。薩摩半島へ渡るフェリーに乗るため根占港に向かう。9:00の便を逃すと次は11:00になってしまうので早めの出発だ。
しかしキャンプ場から思いのほか近く、着くのが早すぎた。
ぽつーん。。。誰もいない。
このフェリーなんきゅうは、南大隅町の「根占港」と指宿市の「山川港」を約50分で結んでいて、根占→山川は1日に5便運航している。
根占は「ねじめ」と読むのだが、ずっと「こんせん」だと思い込んでいた。そのため「ねじめ」とひらがなで書いてあったのを初めて見たとき根占だと気づかず、何ねじめって?食べ物?と思った。
乗船後、昨日からずっと見えていた開聞岳がだんだん大きくなっていく。
10:00 開聞岳~指宿スカイライン
景色を眺めているとあっという間に山川港に到着する。
下船後少し走ると目の前に大きく開聞岳が。やはり美しい形だ!開聞岳の東側には畑が広がっていて長閑でとてもいい感じ。
開聞岳の周囲を1周できるようなので行ってみることにする。東側の開門山麓自然公園のあたりから時計回りで。
開門トンネルを通っていくのだが、細くて暗いし誰もいない、これ通っていいのかなと不安になる。
開聞岳南側は木々に囲まれあまり眺望はないが、北西の方まで来ると畑が広がり開放感がある。
やっぱりどこから見ても素晴らしい形!
開聞岳を後にし、池田湖を経由してr17指宿スカイラインへ向かう。
北側から池田湖越しに眺める開聞岳。なんとなく山中湖越しの富士山に少し似ている。
指宿スカイラインは指宿市から鹿児島市に至る36.8kmの有料道路。伊豆スカイラインに似た高所を通る絶景ロードでバイク乗りには有名だ。
名前は知っていたが通るのは初めてだ。タイトコーナーは少なく、心地よい適度なコーナーの連続と場所ごとに移り変わっていく絶景。素晴らしい道だった!
指宿スカイラインから見える景色として、開聞岳や桜島、錦江湾など見どころがたくさんあり、展望スペースも数多く点在している。例えば
これ以外にもたくさんありすぎるため、どこかに寄った直後に別の展望所を見かけると、こっちの方が景色がいいかも!と次々と寄りたくなってしまう。
12:00 吹上庵~いちき串木野市
鹿児島市の谷山ICで指宿スカイラインが終わりr22で西に向かう。丁度昼時なので地図で探すと山の中に「そば茶屋吹上庵」を見つけた。評価も高かったのでここに決定。
かなり広い駐車場だったが、止める場所を探すのに苦労するほどの混雑だ。人が多くて遠くからは写真が取れなかったが、かやぶき屋根だったり外に水車があったり渋めの外観。
待合スペースの椅子に座れないぐらいものすごい人で、1時間以上は待ったのだがそのぶん味への期待が高まる。
海老天もりそば1480円。
割子七段そば1200円。中の写真はないが、それぞれ天ぷら以外にも色々のっている
味はまあまあおいしいかな、といったところ。お客さんの多さからかなりハードルを上げてしまった。
昼食後に山を西へ下っていくと吹上浜にぶつかる。どうやら日本三大砂丘の一つらしく、南北47kmもの長さがあるそうだ。
多くの人が潮干狩りをしていてとても賑わっていた。砂丘というよりかなり広い砂浜といった感じだった。
吹上浜に沿ってR270を北に向かって走る。いちき串木野市(口に出して言いにくい)に入りR270からR3に。
このあたりは酒造があちこちにある。芋焼酎好きにはたまらない。お、有名な濱田酒造はここにあるんだ、とか思いながら走る。
スーパーに寄って買い出しをした後、さつま揚げを買うために通り沿いの蒲鉾店で今日のつまみを買い込む。
「魚っち」という商品があり、店の外にあるのぼりで宣伝している。
おいしそうなので買ってみた。
「さかなっちください。」
「うおっちですね。」
「・・・はい」
フリガナをふっておいて欲しかった。
16:00 串木野ダムオートキャンプ場
市街から5km程でキャンプ場(無料)に到着。狙ったわけではないが3日連続の無料キャンプ場だ。
木々に囲まれた林間サイトで、街からそれほど離れていない割にひっそりとしている。我々以外には7、8組といったところ。ソロも多い。
設営後はここから3、4km走った先にある冠岳温泉へと向かう。とてもきれいで満足度の高い温泉施設だった。
夜は芋焼酎と練り物のパーティーだ。うおっちもうまかった「うおっち」も。
このキャンプ場は静かでなかなかいいところだった。
ただ一つ残念なのはトイレだ。
トイレが汚い?
便器が和式?
そんな事ではない。
・・・
・・・
このキャンプ場にはなんとトイレがなかった!
多分最寄りのトイレは800mぐらい先の公園のトイレだ。
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